白川が美しく見える場所を探そう!「川視術」のすすめ
−白川わくわくランドでの実施例−

中村麗(白川わくわくランド)
「川視術」(かわみじゅつ)について
 特異点探索(*1)とは、橋梁を評価するためのフィールドワークの方法です。これは、地域の社会基盤の成り立ちを分析する際に必要な、土木的スケールでの空間感覚や時間感覚を培うことができる重要な手法です。このフィールドワークを小中学生の学習に生かし、子どもたちの土木史や景観デザインに関する素養(ものの見方)を養うという試みが、過去に熊本県矢部町にある通潤橋を対象として実施されました(橋視術)。橋視術においては、実際に子供への景観評価に関する学習が行えることが実証されました。この特異点探索の対象を、橋から川へと変えたものが「川視術」です。今回の「川視術」は、熊本市街地を流れる白川を対象に行いました。
実施にあたって
 今回の「川視術のすすめ」は、熊本市にある白川の交流施設、「白川わくわくランド」で行われているイベントである寺子屋の一環として実施し、一般から参加者を募集しました。
  講師   :小林一郎氏(熊本大学工学部環境システム工学科教授)
  実施日時:平成14年12月14日、平成15年1月25日 12:30から16:00(2日間実施)
  参加人数:25名  班数:7班
  参加者年齢:7歳〜72歳
内容
 1日目。参加者たちは、水戸黄門が白川に来るという設定で、そのとき見ていただく一番いいと思う場所を探す、という課題を与えられました。白川で最も美しいと思う風景を各自実際に探し出し、デジタルカメラで撮影します。(場所探しのときは班ごとに行動し、個人でいい場所を数ヶ所選ぶ。)その後、室内で自分が撮った写真で最もいいと思うものを1人1枚だけ選び(個人の特異点)、なぜその場所を選んだのかを簡単に1人づつ発表を行いました。 2日目までに、その場所を選んだ理由を紙に書いてくることが課題として与えられました。
 2日目は、まず展示されている(全員の写真と説明文)を見ました。その後、班で話し合いを行いました。自分がなぜその場所を選んだのかを互いに説明しあい、班のメンバー全員が納得したものを1枚選びました。また、その写真を表す簡単な「キーワード」を発表した(班の特異点)。つぎに、全班の写真の中から、いいと思うものに1人ずつ投票し、票が多かった3枚を選び、また、さらにその3枚の中から1枚を選びました(ベスト1)。最後に参加者全員で、その場所を見に行き、実際にどのように見えるかを確認しました(現地見学)
「川視術のすすめ」当日の様子
1日目 
2日目 

参考文献
1)小林一郎:「特異点探索−フィールドワークとしての土木史・景観教育−」、土木史研究 第21号、2001.