小林先生からの講評


 参加された皆さん、2日間にわたる、探索ご苦労様でした。この風景をご覧頂ければ、黄門様もきっとご満足されるものと思います。 さて、特異点探索の大切な点は、特異点(その周辺で風景が最も美しく見える場所)を見つけるということですが、それと同時に探索も大事です。まず、五感を全開にして「歩く」ということです。体を使って広い空間を感じ取る楽しさを身につけて欲しいと思います。ウォークマンや携帯電話で耳を覆ってしまったのでは、周囲の音を聞くことができません。匂いを嗅ぎながら歩くと実に様々なことを発見します。体が温まって来ると、感覚は研ぎ澄まされ、色んなものが視えてきます。散歩の楽しさはそんなところにもあるのでしょう。

 また、多くの方が誤解されていますが、写真と実際の風景は違います。「川視術」は、きれいな写真や芸術写真を撮るための術ではありません。みんなと感動を分かち合う術です。相手が美しいと感じたものを自分も感じ取る術です。デジカメを使うのはあくまで、特異点のからの眺めのすばらしさの何分の一かを他の人にも知ってもらいたいからです。その意味では、大人の写真よりも、子供達の写真の方が正しい特異点の撮し方のように思いました。

 最後に、我々は日々の生活で、部分ばかり見て暮らしています。テレビ、雑誌、話し相手の顔・・ほんの数十センチの空間ばかり見て暮らしています。細かなものばかりにこだわって暮らしています。この点、今回の探索でも、水の光る美しさとか木々の与える安らぎの見える場所が特異点となりました。しかし、6班・仁田さんの写真のような雄大な特異点がもっと高く評価されても良かったように思います。熊本のこんな小さな場所でも、数え切れないほどの美しい風景があります。もっともっと大きな風景を見たいものです。川と岸と空のある風景を探したいものです。

 いずれにしましても、第1回目の川視術は大成功であったと思います。次回は、大学生だけとか、小学生のグループ対抗とかで実践をやってみたいと思っています。次回のレポートをお楽しみに!